文京区は文人の旧居跡が多い所ですが、石川啄木の終焉
の地は小石川で現在、跡地に歌碑と顕彰室があります。
歌碑には26歳で肺病の為生涯を閉じた啄木の最後の
歌(悲しき玩具 冒頭二首)が陶板で埋め込まれており
呼吸すれば、
胸の中にて鳴(な)る音あり。
凩(こがらし)よりもさびしきその音!
眼閉づれど
心にうかぶ何もなし。
やがて さびしく(もまた)眼をあけるかな
句読点や推敲の跡がわかり啄木の息遣いが伝わります。
文字はとても26歳には思えぬ老成した感じを受けます。
その他顕彰室にはこの地から発信された直筆の手紙等
が展示されており、人となりを知ることができます。